先日『週刊少年ジャンプ』にて、待ちに待った冨樫義博さんの手がける漫画、『Hunter x Hunter』が連載再開しました!(単行本も発売しました!)
数多くの休載歴を重ねてきたことで有名な冨樫さんですが、2014年の掲載を最後に、体調不良を理由に連載を休止していました(当時高校生だった私は、再開からのスピード休載に非常に落胆したのを覚えています)。そんな『HUNTER x HUNTER』ですが、まずはなにより、連載再開、本当に嬉しいですね!
しかし、『HUNTER x HUNTER』はその伏線の多さと論理の緻密さで有名であるように、少し目を離すとすぐに内容が頭のなかでこんがらがってしまいます。ということで今回は、内容を思い出すという意味も込めて、『HUNTER x HUNTER』の伏線についてお話しようと思います。
※コミックス未収録エピソードのネタバレなどが、若干含まれますのでご注意下さい。
『HUNTER×HUNTER』で未解決の伏線
ゴンの母親
『HUNTER×HUNTER』において、ゴンの母親について言及される回数は、父親であるジンに対して、極めて少ないものとなっています。ゴン自身も親友のキルアに「そーいやお前のお袋さんってなにしてんの?」(8巻16ページ)と聞かれ、義母であるミトを思ってか「親父のこと以上に聞きづらいんだよね、母親のことって」と返しています。
また、ジンがゴンに遺したテープでも、ジンがいざゴンの母親についてしゃべろうとした途端、ゴンはテープを強制的に止めてしまいます。
ジンが遺したテープをとめるゴン(『HUNTER×HUNTER』8巻 54Pより)
ゴン自身は「オレの母親はミトさん!」(8巻55ページ)と、義母をかばう発言をしていますが、これを最後に『HUNTER×HUNTER』内ではゴンの母親に関する話題が一切でてきていません。上述したジンのテープのくだりは演出的にも「露骨に何かある」という雰囲気を残しつつも、以後触れられることはありませんでした。
一体ゴンはどこからきたのか? 母親は生きているのか? おそらくそれらの真実を知るであろう、物語の本筋に大きく介入してくるジンの行動と発言に注目です。
闇のソナタ、ナニカ
『HUNTER×HUNTER』は念能力が有名ですが、その念能力の範疇を逸脱した力が過去に2例だけ紹介されており、それが第8巻に登場する、魔王が書いたとされる楽曲「闇のソナタ」とキルアの妹であるアルカの別人格「ナニカ」です。
「闇のソナタ」の説明をするセンリツ(『HUNTER×HUNTER』8巻184Pより)
「闇のソナタ」は聴いた人の身体を異形へと変形させてしまう旋律(楽譜)。第一楽章だけ聴いたというセンリツはその容姿が変貌し、友人は死んでしまったと語っています。
また「ナニカ」はノーリスクで人の願いを叶えたり、大量殺戮を行う能力を持っています。作中でもそれぞれが「怪談の類」「念能力では説明がつかない」と語られており、明らかに冨樫さんが設計する念能力のルールを越えた描かれ方をしています。
幽閉されているナニカ/アルカ(『HUNTER×HUNTER』31巻 22Pより)
それぞれその出自は不明とされていますが、しかし「ナニカ」に関しては、「あい」という口癖の暗黒大陸の生物「ガス生命体アイ」とその近似が多くのファンによって指摘されており、またほぼ間違いなく暗黒大陸由来の何かだと考えられます。
ジャイロ
ジャイロの行き先は流星街か(『HUNTER×HUNTER』20巻-69Pより)
その鍵となるのが、キメラアント化したNGLのボス・ジャイロの存在と、ジャイロの行方を追って流星街へと向かったウェルフィン、ヒナ、ビゼフの3名です。ジャイロについては、キメラアント編の序盤からNGLのカリスマ的悪として描かれ、明らかにただものではない雰囲気を出していましたが、本筋にはまったく絡んでおらず、人知れず行方を眩ましていました。
今後、暗黒大陸編でその正体が明らかになるのかは定かではありませんが……。むしろ暗黒大陸編が終結してからの新章として描かれそうな雰囲気です。本当に『HUNTER×HUNTER』は終わりが見えません。
東に向かったクロロ
クラピカにジャッジメントチェーンを刺され、除念師を探す旅に出るクロロ(『HUNTER×HUNTER』13巻-67Pより)
単行本13巻によって、クラピカに念能力を封じられた幻影旅団のボスであるクロロも、クラピカの念を外すために行動中ですが、その詳細はいまだ明かされていません。
予知能力を持つネオンの占いによって、「東」へと向かったクロロの行く先には何があるのか? 連載当時から数えて15年くらいが経過していますが、以降、クロロの登場は2コマだけです(15巻・台詞なし)。
また、クロロとの決闘を切望しているヒソカの動向も気になるところです。除念師のアベンガネと共に行動していたはずのヒソカですが、選挙編ではひょっこり白票を入れに登場。その際の言動から、まだクロロには会えていない(あるいは除念できていない)ことがうかがえます。暗黒大陸での再会となるのでしょうか。いやしかしあんまり関係なさそう。
終わりに
以上、『HUNTER×HUNTER』の、現在残されている大きな伏線をいくつかまとめてみました。小ネタや細かいセリフやコマの一つ一つをとれば、まだまだ伏線と取れるシーンは存在します。
2年近くにも及ぶ冨樫義博さんの長期休載でしたが、彼の脳内には尽きること無くアイデアが湧き出しているように私は思います。来週の連載もまた楽しみですね!
単行本も発売されているので興味のあるかたはぜひこちらからチェックして下さい!
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